時事

ももいろクローバーZ『5th Dimension』の反時代性

ずいぶん久しぶりの更新で、なぜか4月10日に発売されたももいろクローバーZのニューアルバム『5th Dimension』ついて書くことになりました。なにとぞご容赦ください。 前段:音楽コンテンツの売れない時代 この記事では、ももクロのニューアルバム『5th Dime…

指標の信頼に足る不確実性について

去る7月11日には参議院選挙の投開票がありました。予想されていた民主党の敗北が現実となり、世間全体があわただしくなっている傍らで、東浩紀氏のtwitter上でのつぶやきがささやかな波紋を呼んでいました。それは、今回の参議院を棄権した、とのつぶやきで…

連続シンポジウムの宣伝

メディア・コンテンツ総合研究機構連続シンポジウム(長っ)というものの宣伝を貼ります。Vol.1が7月17日、Vol.2が7月24日と、文字通りの連続シンポジウムとなっています。初回は事前の申し込みの必要なし、第二回は事前の申し込みが必要であるようです。「…

twitterは詩壇の裏をかいたのか

高橋源一郎氏のtweetによって、詩壇(というのでしょうか?)である悶着が生じていることを知りました。その悶着の発端がtwitterにあったため、その直前にtwitterへの考察ということをしてみたこともあり、twitterについて、より正確にはそこで可能となるメ…

政権交代について

鳩山首相の辞任というちょうどいいきっかけがあり、またいま飛行機のなかでヒマなので、まったくの門外漢ではありますが、昨今の日本の政治状況についてつらつらと書いてみたいと思います。鳩山首相の辞任直前、内閣支持率は20パーセントを切るまでに落ち込…

「また日本か!」

テレビ見てる暇あったらニコ生見てた方がいいって時代が、もう来てるのかもしれないですね。白田先生すばらしい。↓で語られてる考え方、論理の運びや余分な細部までも含めて、98%は賛同。のこり2%は、探したら見つかるかもしれないという程度。いまのとこ…

スティグレールの痕跡の戦略

お知らせです。最近、ついに主著の『技術と時間1 エピメテウスの過失』の邦訳が刊行されたスティグレールですが、12月19日に来日し、シンポジウムに参加します。今回は、メディアアートをめぐる連続シンポジウム「メディアアートとは何か?」の一つにスティ…

民主党への失望

政権交代に大きく期待はしていたけれど、民主党そのものへの期待は、限りなく低かった。マニフェストに記された目玉の政策が実現しなかったとしてもほとんど失望しないし、むしろ、全部実現したらヤバいだろうから、それなりに現実的な判断が働いてあとは「…

メディア・アートをめぐるシンポジウム

もうけっこう間近に迫っていますが、シンポジウムのお知らせ。 シンポジウム「メディア・アートとは何か?」日時:7月25日(土)15:30-19:30 場所:東京大学本郷キャンパス福武ホール(地図はこちら) ひと:石田英敬、藤幡正樹、建畠晢 シンポジウムの構成 …

みんなの経済新聞

いまさらながら、「みんなの経済新聞」ってのがあることを知りました。 http://minkei.net/ 説明は↓ http://ascii.jp/elem/000/000/099/99950/地方分権の重要性が叫ばれる昨今、いかにして「地域」あるいは「ローカル」というものを積極的に作っていくかが大…

麻生太郎と部落差別

麻生太郎はユーモアもあって面白い奴だとは思いますが、ジャーナリストの魚住昭氏が書いた野中広務の伝記『差別と権力』を読んだ者としては、 「野中のような部落出身者を日本の総理にはできないわなあ」 という発言一つで、少なくとも首相としては完全にア…

パレスチナで拘束された日本人についてのメモ

[時事]パレスチナで拘束された日本人についてのメモイスラエルで日本の27歳男性拘束 入植地の反対活動中 http://www.asahi.com/international/update/0803/TKY200808020339.html 【エルサレム=村上伸一】イスラエルが占領中のパレスチナ自治区ヨルダン川…

『ロスジェネ』との縁

「超左翼マガジン」なる、穏やかならざるコピーで銘打たれている新しい雑誌、『ロスジェネ』。その中心人物の一人である杉田俊介氏(id:sugitasyunsuke)とは、以前、ひょんなことから『エフェメール』という名前のCDROM雑誌に参加させていただいたという縁…

カメラと眼差しの猥褻さ―秋葉原事件報道について

秋葉原での事件の際に、ケータイカメラなどで野次馬的に現場を撮影していた人たちに関する論議を取り上げて、佐々木俊尚氏が非常に興味深い記事を書いていました。 http://japan.cnet.com/blog/sasaki/2008/06/14/entry_27002476/この記事は、それらの行為に…

後期高齢者医療制度と「世話」の問題

久しぶりに早い時間に家にいたため、「TVタックル」を見ました。番組の後半部分での後期高齢者医療制度についての議論を見て、思うところがあったのでちょっとそれについて書こうと思います。まったくの不勉強でこの制度についての詳しい知識はまったくない…

草原に宇宙船落下

韓国初の女性宇宙飛行士が、着陸時に負傷したとの記事を読みました。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080429-00000918-san-int負傷が大したものではないことを祈るばかりですが、それとは別に、この記事のなかに引き寄せられたところがありました。記…

樹が切られる

写真の樹は西荻窪にあるもので、樹齢は推定200年以上だそうです。この樹が今、マンション建設のために伐採の危機にある、ということを少し前に聞き、あわせて署名も頼まれたので、おばあちゃんの分とあわせて二人分、署名を送ったのでした。現在、有志の人た…

プロパガンダですが何か問題でも?

とても憂鬱になる「ニュース記事」を読みました。「人民網」という中国のメディアの日本語版で、チベット問題の「真実」に対する世界中からの「反響」というものを集めた記事です。ということで、今日のeyes on tibet http://www.people.ne.jp/a/d6878e73564…

オリンピックは政治からいかにして自由であるか

3月10日のラサでのチベット人僧侶によるデモ活動に対する中国当局の弾圧によって一気に発火した、北京オリンピックへの大ブーイング。ここ数日は、聖火リレーの妨害に関するニュースが繰り返し流されています。これら一連の動きに対して中国政府が繰り返…

チベット問題について、仏教者からの発言

関西のローカル番組「ぶったま!」のなかで、天台宗の有力寺院、書寫山圓教寺の執事長である大樹玄承氏が、チベット問題について仏教者として声明を出したらしいです。 この声明は、もともとは「ぶったま!」でコーナーを担当している青山繁晴氏のブログへの…

変革はつねに広場で起こる――チベットへの道

essaさんという方が、「 一日一チベットリンク / Eyes on Tibet 運動」というものを提案していました*1。 ブログを書いている人に、しばらくの間、一日に一つ、なんでもいいからチベット関係のURLにリンクしようという運動を提案したい。 別にチベットについ…

チベット問題に対する世界各地での抗議

フランス インド イギリス・ロンドン アメリカ・ミネソタ アメリカ・ニューヨーク ここにまとまっています。 http://www.youtube.com/user/ovoFreeTibet

ネグリ来日中止の不思議

すでに方々で話題になっていますが、アントニオ・ネグリの来日が、とても不可解な経緯によって中止に追い込まれてしまったようです。僕はネグリ自身の思想や議論には基本的にあまり興味はないのですが、それとは無関係に、今回の出来事にはショックを受けま…

困った

id:finalvent氏からトラックバックというものをいただいたのですが、困りました。要は、「あなたの書いたものは間違っているよ」という話がされているのですが、その指摘の内容がなんともはや。文章を読む限り、個別に反論するというコストの見返りがあるよ…

広告戦争

山手線で、最近何かと話題のNOVAの広告を見ていて、なるほどと思いました。広告のレイアウトが、雑誌の中吊りに似せて作ってあるのです。人はたぶん無意識のうちに、それを見る対象のレイアウトを通してそこに載っている情報との態度を決めるという部分があ…

知っていると想定された主体としての内田樹

もう幾日か前の記事ですが、例によって内田樹氏が挑発的なことを書いていました。 私ども大学教師はあらゆる問いに即答することができる。 その答えを知らない問いについても、そのような問いが存在することが知られていない問いにさえ即答することができる…

文化系トークラジオLIFEと「青春」

およそこの半年、ポッドキャスティングを通してですが継続して聞いてきたラジオ番組、「文化系トークラジオLIFE」というのがこの三月でひとまず終了しました。 http://www.tbsradio.jp/life/ 若い社会学者鈴木謙介氏をメインパーソナリティーとし、いろんな…

ちょっとした反省

「慰安婦問題」というきわめてセンシティブなテーマについて上の記事で書いたのですが、そのあと「南京事件」に関してコメントしていただいたid:bluefox014さんのブログを足がかりにいくつかのサイトの記事を読んでみて*1、自分がいかにこれらの「歴史問題」…

「余は如何にして朝日新聞を疑うようになりし乎」

火中の栗を拾うシリーズ第一回。お題は「慰安婦問題」です。基本的には人文、思想関係の記事の多い当ブログですが、なんだかこのところどうにも気持ちが悪いので、いわゆる「慰安婦問題」についてこの場で整理をしてみたいと思います。ただしここで試みられ…

東浩紀/デリダ/ラカン

どうでもいいことなんですが、東浩紀の「デリダのエクリチュール論とその応用可能性」という文章(http://www.hirokiazuma.com/texts/ecriture.html参照)につけられたブックマークがこの数日で急増しているのはどうしてなんでしょうか?だれか知っている人…