チベット問題について、仏教者からの発言

関西のローカル番組「ぶったま!」のなかで、天台宗の有力寺院、書寫山圓教寺の執事長である大樹玄承氏が、チベット問題について仏教者として声明を出したらしいです。


この声明は、もともとは「ぶったま!」でコーナーを担当している青山繁晴氏のブログへの大樹氏の書き込みが端緒となって実現したものであるようです*1

どうにもやりきれない思いを抱え、さらには名のある寺社で重責を担っているという、チベット問題に関してはとりわけ何かを発言すべき地位にありながら、いったいどのように発言の場所を見つけていいのかをまったく知らなかった一個人が、ブログへの書き込みをきっかけにしてそのおよそ二週間後に関西のローカル番組であるとはいえ生放送という場で仏教者としての声明を読み上げ、そしてその映像がオンライン上で一気に拡がっていく。個人の情動からつながるこれらの一連の連鎖のプロセスが興味深いのは、それを可能とした技術的環境が、同時に世界レベルでのコミュニケーション回路を支えているものでもあるからです。つまりこの件は一回限りの奇跡のような出来事であるのではなく、至るところから発火しうる大きく共有された希望であるということです。もちろんそこに見出されるのは、場合によっては負の方向にも噴出しうるそれ自体は未規定のポテンシャルですが、しかしいずれにせよ何かが生じるためには、正負のどちらにでも転びうる現時点でのポテンシャルを活用していくわけしかないわけです。

そしてその点で、アップされた動画を即座に削除していく関西テレビの対応に対する青山氏の憤りには、なにか深く感じるところがあったのでした、*2

ということで
eyes on tibet運動」(今回の声明文が転載されています)
http://blogs.dion.ne.jp/pensiero/archives/7012960.html#more