草原に宇宙船落下

韓国初の女性宇宙飛行士が、着陸時に負傷したとの記事を読みました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080429-00000918-san-int

負傷が大したものではないことを祈るばかりですが、それとは別に、この記事のなかに引き寄せられたところがありました。記事によれば帰還の際、帰還用の宇宙船が故障し、予定されていた落下地点からは420キロ離れたカザフスタンに草原に落下したそうです。その際に三人の乗組員が大きな衝撃をうけたとのこと。そう報じたあと、記事は次のようにつづきます。

大気圏突入の際のカプセルの摩擦熱で草原は火災になり、3人は遊牧民の助けなどで何とか脱出した。

さらっと書かれていますが、その実際の場面を想像してみるとすごいです。何もない草原の、澄み渡った空の一点から、なにか光るものが現われたと思うと、すこしずつ大きくなっていく。地上から見上げられたその様子には、おそらくはじめはどこかのどかなところがあって、いち早くそれに気づいた遊牧民の幾人かは、トンビでも眺めるようにその動きを追っていく。しかしすぐにそれがただならぬものであることに気づく。それははっきりと燃え盛る球体であり、まぎれもなく、自分たちのいる地上目指して落下してくる。しかしだからといって何かができるわけでもなく、ただただ呆然と見送っていくしかない。さいわいその火だるまの宇宙船は草原の誰のいない場所に落ちましたが、その衝撃音はものすごかったでしょう。犬や馬がわななきたてる。その馬を急いでなだめ、その物体の落下した場所に向かうと、煙を発する球体のなかから三人の外国人が這い出してくる。遊牧民はその三人を馬に乗せ、地平線のはるか向こうの一番近くの町まで運んでいく。宇宙服に身を包んだ宇宙飛行士を抱えた民族衣装姿の遊牧民は、その三人をまずはどこに連れて行くでしょうか。そもそもその町はどのくらいの大きさでしょうか。あるいはすでに宇宙船の落下先を追跡していたロシアの関係機関がヘリを飛ばしてきているでしょうか。

いやあ、映画みたいですねえ。

ちなみに宇宙船が墜落した場所の写真は↓に載っています。
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2381842/2858277