みんなの経済新聞

いまさらながら、「みんなの経済新聞」ってのがあることを知りました。
http://minkei.net/
説明は↓
http://ascii.jp/elem/000/000/099/99950/

地方分権の重要性が叫ばれる昨今、いかにして「地域」あるいは「ローカル」というものを積極的に作っていくかが大事になっていくのだと思います。その際、それを支えるインフラとしての情報回路を確立する必要があることはまちがいありません。人の動きと情報の動きは相伴うわけですから。そこにはもちろん「モノ」や「カネ」の動きも伴います。情報の動きは、それらの動きのいわば「乗り物」のような役割を果たすのだと思います。

つまり、大都市に吸収されない「地域」独自のヒト・モノ・カネの流れを生み出していくには、なによりもまずそれを支える情報の流れを生み出さなければならないわけです。上の記事の紹介によると「みんなの経済新聞」の出発点となったのはシブヤ経済新聞で、そのファンのひとたちがフォーマットを借りてどんどん軒を足していったようですなのですが、結果としてきわめて魅力的な情報回路の「芽」へと育ちつつあるという印象を受けます。

日本全国の地方紙の情報をまとめているサイトとしては
http://www.jwn.ne.jp/
http://www.47news.jp/
などがありますが、地方紙が集めてくる情報はあくまでも都道府県単位なので、たとえば「八王子経済新聞」といったような単位でのローカリティは生み出せません。むろんこの背景には、乱立していた地方紙を戦前、戦中に軍部が統制し、一都道府県一地方紙という体制を作ったということがあるわけですが。

道州制になれば、当然ながら都道府県単位での情報回路の存在感は薄れていくでしょう。そうなれば、より小さな「地域」の存在感が相対的に浮上してくるのではないか、という気がします。これまでは、「○○県の××市」というように、それぞれの「地域」は上位の都道府県の下位区分という感じで見られていたと思いますが、これからは、都道府県の媒介なしに個々の「地域」が自分たちの存在をアピールしていくようになるのではないでしょうか。

そのためにも新たな情報回路が必要であり、「みんなの経済新聞」というのはその観点からもなかなか素晴らしい場所なんじゃないかと思います。