2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

大澤真幸 『電子メディア論』

電子メディアとは ここで「電子メディア」と呼ばれるものがどのようなもとして捉えられているのか、という点ははっきりしているだろう。要は、暗黙のうちに処理されていた時間という要素を極大化させるもの。そこに、たとえばカントの超越論的統覚の話が持ち…

香内三郎 『「読者」の誕生』

カズイストリーと相談欄 宗教的な原則とその日常生活での応用とを媒介するカズイストリーというジャンルは、「嘘」や「擬態」というテーマのもとですでに旧約、新約聖書のなかに見出されるとともにアウグスティヌスをはじめとするさまざまなコメンタリーをと…

Bernard Stiegler "La technologie et le temps-1-la faute d'Epimethee"

共同体と歴史性の問題 共同体は象徴の共有を通して構成されるのだが、しかしこの共有物とはなんらかのポジティブな対象ではなく、欠如のことをさす。現存在の構成において「生きられたことのない過去」を引き受けるという契機が不可避であると述べられるが、…

要約してみよう*1・・・「生産様式」

「生産様式」とはマルクスが『ドイツ・イデオロギー』において初めて用いた言葉で、スミス=リカルドゥの古典派経済学における「生産」という概念との明確な対比において用いられる。具体的には、古典派経済学において「生産」が「生産・分配・交換・消費」…

 スティーブン・ヴァイクトス『「間主観性」の社会学』

主体と他者の関係 ミードにとっての間主観性の成立とは、ある刺激にたいする反応が単に生物学的・本能的なものではなく、その刺激に対して他者が反応するように自己が反応できるようになることを意味する。ここにおいて、「組織化された客我」と「一般化され…

 マーク・ポスター 『情報様式論』

☆ 第二章 ボードリヤールとテレビCM メディアと領域 ポスターは、かなり疑問のあるやりかたでルーマンのメディア概念を引き合いに出すが、ルーマン理解の当否は別として、そこでメディアは「現代社会の細分化された諸制度を結びつける紐帯」(P86)と理解…

◎ 香内三郎 『「読者」の誕生』

「週刊」新聞の社会的定着 ☆ 第一章 「神の声」から「民の声」への移行 ◇ 十四世紀の終わりから十五世紀にかけて、中央の言葉の威信、というものが生じる(クイーンズ・イングリッシュ)。 ↓ ◇ 十七世紀の前半にはほぼその権威が確立してくる。 さまざまな辞…

 ◎ マーク・ポスター 『情報様式論』

マルクスの「生産様式」に向こうを張って「情報様式」という概念を持ち出してくる。そのことによって、それぞれ特定の情報体制をもっているという「情報様式」の歴史的変遷とともに、現時点でのポストモダニズム的な主体の地位を形作る特定の「情報様式」を…

 ◎ エドガール・モラン 『スター』

マリリン・モンローの位置 最後のスター、ジェームス・ディーンのあと、舞台裏の孤独を体現することでスターシステムの空虚さを示した。 この死はスター・システムの弔鐘をかき鳴らす。それは自然な神話の暴露であり、真実が飲み込まれる裂け目である。もは…

● エドガール・モラン 『スター』 「しかし、青春が、他の年齢層と対峙し、自分の想像上の領域と文化的モデルとをはっきりさせて、特殊な年齢層として自らを意識するようになったのは最近のことである。」P171 ・・・これは世代論の出現というものと平行…

● 『「読者」の誕生』 香内三郎 ◎ イメージ論の先駆としてのダマスカスのヨハンネス ・・・プラトン的な画然としたオリジナルとコピーの二元論ではなく、物的媒介としてイメージを想定する。 「われわれ死すべき人間はふつう、中間媒介なしに神の直接コミュ…

スター

● 『スター』 エドガール・モラン ◎ スターの黎明 ・・・役柄とスターの人格との分離 P14、15 → ● マーシャル 『有名人と権力』四章後半のトム・クルーズについての分析 ・「一九一三、四年から十九年にかけて、スターはアメリカとヨーロッパとで同時に…