2010-01-01から1年間の記事一覧

ヒマを巡る哲学的序説

以前、同人誌を出すという知り合いに求められて書いたものの、結局同人誌そのものが立ち消えになり、ずっと宙づりになっていた文章を載せます。マルクスの娘婿であるポール・ラファルグの『怠ける権利』の批判から出発し、、ベルナール・スティグレールの議…

twitterとアテンション・キャピタル

有限なものがあるところには、必ずエコノミーがあります。たとえば鉱物資源であれば、埋蔵量も、発掘に必要な資本(生産資本や労働資本)も、流通システムが許容する流通量も、精製能力も有限であり、さまざまな配分=エコノミーがそこに生じることになりま…

動画コンテンツとコミュニケーション ――テレビからニコニコ動画へ

このところ、メディアとコミュニケーションの関係について色々書いてみているのですが、またその続きです。今回は、動画コンテンツとコミュニケーション、といったより限定的なトピックについて考察してみたいと思います。メディアとコミュニケーションに関…

指標の信頼に足る不確実性について

去る7月11日には参議院選挙の投開票がありました。予想されていた民主党の敗北が現実となり、世間全体があわただしくなっている傍らで、東浩紀氏のtwitter上でのつぶやきがささやかな波紋を呼んでいました。それは、今回の参議院を棄権した、とのつぶやきで…

連続シンポジウムの宣伝

メディア・コンテンツ総合研究機構連続シンポジウム(長っ)というものの宣伝を貼ります。Vol.1が7月17日、Vol.2が7月24日と、文字通りの連続シンポジウムとなっています。初回は事前の申し込みの必要なし、第二回は事前の申し込みが必要であるようです。「…

twitterは詩壇の裏をかいたのか

高橋源一郎氏のtweetによって、詩壇(というのでしょうか?)である悶着が生じていることを知りました。その悶着の発端がtwitterにあったため、その直前にtwitterへの考察ということをしてみたこともあり、twitterについて、より正確にはそこで可能となるメ…

マスメディアとマスコミュニケーション――twitterについて考える 

最近、twitterなるものにちゃんとコミットしてみようと思い始めているのですが(アカウント自体はかなり以前から取得していました)、同時に、twitterというツールについても考察してみたい、という欲望も日に日に増してきています。少し前の記事でtwitterに…

故障したコンピュータは電気狂人の夢を見るか――物質的脆さについての試論――

以下に載せるのは、知り合いが発行した「クロニック・ラヴ」という同人誌に掲載してもらった文章です。 - 1、フッサール:コンピュータ画面の現象学 この文章を書きだす前に、おそらく一分ほどの間、なにも書かれていないまっさらなワードのシートを眺めて…

『ヒカルの碁』――「神の一手」と歴史の慈愛について

以下に載せるのは、かなり以前に「紙屋研究所」という漫画批評サイトに僕がメールで送った、囲碁漫画『ヒカルの碁』についての感想文です。サイト運営者の紙屋氏は、電波なやつから送りつけられた文章を記事として取り上げてくれ、解説を付して公開してくれ…

政権交代について

鳩山首相の辞任というちょうどいいきっかけがあり、またいま飛行機のなかでヒマなので、まったくの門外漢ではありますが、昨今の日本の政治状況についてつらつらと書いてみたいと思います。鳩山首相の辞任直前、内閣支持率は20パーセントを切るまでに落ち込…

 将棋と時間―将棋に見る有限性の考察

つい先日まで、将棋の名人が戦われていました。羽生名人が4連勝で防衛、というニュースを読んだひとも多いかと思います。その羽生名人に挑戦したのは、三浦弘行八段という棋士でした。この三浦八段は、対局中のアクションがきわめて大きな棋士で、手を読ん…

 ダニエル・ブーニュー『コミュニケーション学講義 メディオロジーから情報社会へ』

ひさしぶりに読書感想文を書きます。題材は、ダニエル・ブーニューの『コミュニケーション学講義』。これは、急激に変化しつつある現代のメディア環境およびコミュニケーション環境に身を置く人間にとって、間違いなく必読の書であります。メディオロジー、…

一つのメディア体験――「激笑 裏マスメディア〜テレビ・新聞の過去〜」

今週の月曜日の夜10時、NHKで放送記念日特集というものが放送されていましたが、その裏では、Ustreamをつかったツッコミ番組「激笑 裏マスメディア〜テレビ・新聞の過去〜」が流されていました。詳細については“革命的Ustream放送”「激笑 裏マスメディア〜テ…

「また日本か!」

テレビ見てる暇あったらニコ生見てた方がいいって時代が、もう来てるのかもしれないですね。白田先生すばらしい。↓で語られてる考え方、論理の運びや余分な細部までも含めて、98%は賛同。のこり2%は、探したら見つかるかもしれないという程度。いまのとこ…