要約してみよう*1・・・「生産様式」

    • 「生産様式」とはマルクスが『ドイツ・イデオロギー』において初めて用いた言葉で、スミス=リカルドゥの古典派経済学における「生産」という概念との明確な対比において用いられる。具体的には、古典派経済学において「生産」が「生産・分配・交換・消費」といった一連の流れにおけるひとつの要素にすぎなかったのに対し、マルクスは「生産様式」という言葉において社会全体を規定するデテルミナントとしての生産の体制の全体を指し示そうと試みた。このことにより、古典派経済学の前提となっているホモエコノミクス的な人間観を大きく相対化するとともに、古典派経済学が普遍的なものと措定した資本主義的な経済体制を歴史の特定の段階に位置づけることが可能となった。