◎ 香内三郎 『「読者」の誕生』

「週刊」新聞の社会的定着
☆ 第一章 「神の声」から「民の声」への移行
◇ 十四世紀の終わりから十五世紀にかけて、中央の言葉の威信、というものが生じる(クイーンズ・イングリッシュ)。
          ↓
◇ 十七世紀の前半にはほぼその権威が確立してくる。

さまざまな辞書の成立

※ ことわざ・・・ことわざもまた、その通用領域というものを暗黙のうちに設定する。ことわざ的な言い回しが利用困難になっていくということには本質的な傾向が現われているのでは。

存在論的安全としてのニュース(P169あたり)

クイーンズ・イングリッシュを中心とする再編成された時空が生じるとともに、存在論的安全を担保する作法もまた変わるだろう。そのことはおそらく、ニュースの題材がごくローカルなものからより広いものへと移り変わっていくことにあらわれると思われる。このことは、特定のニュースを興味対象とする特定の領域の設定というものが生じていることを意味する。あるいは、このような再編成された興味共同体において初めて「ニュース」というものが可能になるのかもしれない*1また*2さらに*3

*1:ロジャー・シルバーストーン 「テレビジョン、存在論、移行対象」(『メディア・スタディーズ』)

*2:清水幾太郎 「流言蜚語」・・・清水の「媒介」概念は、ハーバーマス的なコミュニケーション行為というよりはよりニュートラルな、ギデンズの「存在論的安全」に近いだろう。

*3:ギデンズ 『近代とはいかなる時代か』