スター

● 『スター』 エドガール・モラン
◎ スターの黎明
・・・役柄とスターの人格との分離 P14、15
→ ● マーシャル 『有名人と権力』四章後半のトム・クルーズについての分析
・「一九一三、四年から十九年にかけて、スターはアメリカとヨーロッパとで同時に結晶する。」P15
・「一九三〇年頃から映画は変容し、やがてスターを変容させる。」P18→ハッピーエンド化(P19)
=「ブルジョア的変容」
スターシステムの不在としてのイタリア・ネオリアリズモ。
・「1940年以後ハリウッドでは、クラーク・ゲーブルゲイリー・クーパーハンフリー・ボガードらが、人生経験豊かな男の新しいキャリアーを創始する。ヒロインはマックス・ファクター化されて、四〇歳になっても通用するし、梯子のもう一方の端には、少年少女が登場する。スターは、より幅の広い世代分野を占めるようになり、また人相の面でも、ますます彼らの占める範囲は広くなる。理想的ではない美しさや、興味ある醜さが独特な魅力を発揮するのである。」P25
=スターの人格化の傾向・・・フィルム・ノワール
→ ● ジョアン・コプチェク『わたしの欲望を読みなさい』・・・享楽をあきらめない形象としての探偵P235など
・「こうして、一九五〇ー六十年代に見られるのは、映画観客動員数の凋落と同時に、スター・システムの最後の開花という光景である。」P33
=「スターたちは以後、人間並みの日常生活に参加することになる。」P34

◎ 神と人間を媒介する存在としてのスター
「スターとは、映画のヒーローの英雄的な、ということは神格化された神話的な実質の一部を吸い上げ、そのかわりに、自分に固有のものをつけ加えてその実質を豊かにする男優や女優のことである。」P41
※またモランは、王の形象との類比も行う→ ● カントローヴィッチ『王の二つの身体』

◎ スターとファンとの共同の営為としてのスターシステム
「スターは自分を神格化する投射力によってしかスターにはなれないのである。」P113