デリダ"Mal d'archive"参考サイト

"Mal d'archive"について検索してみたらいくつか参考になりそうなサイトがヒットしたのでリンクを貼っておきます。

http://www.oedipe.org/fr/actualites/derridafucks

レヴィナスデリダとの関係から語りおこして、来たるべきものとの関係を生み出すものとしての解釈に焦点を当てて"Mal d'archive"について触れている文章。URLがderridafucksになっていますが、デリダ罵倒の文章なのではなく、筆者の名前がBetty Fucksさんというらしいです。フランス語。

http://www.historein.gr/vol1_rPapatheodorou.htm

こちらでは、記憶の問題という観点から"Mal d'archive"のベタな解説が展開されています。そのまま「カルスタ」的な議論に接続できそうなベタさ加減なのですが、そういった要素も確かに含まれているというところに、デリダの議論の懐の深さがある気がします。英語。

http://churchandpomo.typepad.com/conversation/2007/02/mal_darchive.html

これはすごく面白いです。デリダ本人による協力のおかげで充実したデリダアーカイブを有しているカリフォルニア大学が、そのアーカイブに関連してデリダの遺族を訴えた、という記事。「フロイトアーカイブ」ならぬ「デリダアーカイブ」の問題が現実に出現しているという話ですね。しかもこの記事は2007年の2月1日付けのもの。まだほやほやです。記事の最後には、このアーカイブをめぐる訴訟は、デリダアーカイブ論に立ち戻ることを要請している、ということをのべながら、今度は同じことがデリダの宗教論をめぐって勃発するかもしれない、と冗談めかして付け加えています。
なお、この記事内にリンクが貼られていたピーター・クラップ氏のブログによると、本格的な訴訟に至る前になんとか決着がつきそうな雰囲気であるようです。それにしても、この出来事はある側面ではデリダアーカイブアメリカに作られるのかフランスに作られるのかという駆け引きでもあり、なんとも面白いです。「事実は哲学よりも奇なり」というところでしょうか。英語。