メディア論の脱構築

脱構築的な分析の出現の条件
・・・メディア論的地平の複数性
テレビの出現によって狭義のエクリチュールの意味が相対化される。
エジソンによる音の複製手段の発明によって、一次的、二次的、三次的記憶の相関関係に根源的な反省が向けられる。
映画という時間的対象の出現によって、意識の作用そのものに新たな視点から反省が向けられる。

    • このように、複数のメディア的地平の交錯地点において、事後的に過去の暗黙裡に前提されていたメディア上の諸条件が見えてくる。

アドルノ、ホルクハイマーによる図式
・・・文化産業により、統覚による想像力を用いての図式化作業が外在化され、それにより疎外が生じる。

    • しかしなぜ、《先験的》図式が外在化されうるなどということがそもそもありうるのか*1
      • このことから事後的に、《先験的》だとされていた事由が、実は技術的、メディア的な条件によって浸透されていたのだということが見えてくる。

*1:B.Stiegler "La Technologie et Le Temps 3" P72